母の恋人は私の愛人。本当の愛の前には母もない、娘もない。時代が求めた鮮烈な純愛物語。実力ナンバーワン女優・岩下志麻、渡辺文学の“おんな”に挑む!花の魔性に魅せられた悦楽と背徳。娘に嫉妬を抱き、対等の女と女の関係になっていくことに怖さを感じる母・菊乃。母は母として、それ以上に女として恋のライバル意識を燃やす娘・涼子。その時から母と娘は愛の仇敵となったーー。ますます円熟味を増した当代ナンバーワン女優岩下志麻が、枝垂れ桜の美しさにも似た渡辺文学の“おんな”に挑み、狂わんばかりの愛の極致を生きる女の執念を熱演。「ひとひらの雪」「化身」「別れぬ理由」につづく渡辺淳一文学の文芸大作。京都、真如堂近くにある一本の染井吉野は毎年見事な桜を咲かせている。老舗の料亭『辰村』の女将・菊乃は「私の桜を見に来て下さい」と花の挨拶状を送った遊佐恭平と深い仲になって二年になる。遊佐恭平は東京の出版会社社長で、今度新しく『辰村』の支店を東京に出そうと決心したのも、遊佐の助言が大きく影響していた。いずれは一人娘の涼子に全てを任すつもりであった。涼子は女子大卒業後から母の元で見習いをしていて、客受けの良い京美人である。所用の母に代わりで遊佐を平安神宮の満開の枝垂れ桜に案内した涼子は、花くらみを起して倒れた遊佐を介抱する。京都の桜も散り、『辰村』の東京支店開店準備で上京した菊乃は、築地の料亭で遊佐と会うと一緒に三田のマンションへ下見に行った。5月初め、遊佐は母の用事で上京してきた涼子を連れて角館の枝垂れ桜を見に秋田へ飛ぶ。暮れなずむ田沢湖湖畔のホテルで二人だけの夜を迎えた。準備万端、いよいよ開店。『辰村』の東京支店開店披露パーティーで、菊乃は思わぬ光景を目撃する。遊佐と涼子が手を握り合って親密に話し合っていた…。主演の菊乃に岩下志麻が扮し、日本映画界を代表する女優の面目にかけて鬼気迫る艶技を披露すれば、劇中で見せる本手描友禅染など豪華な和服の数々が華麗にスクリーンを彩っている。娘・涼子役には4,000名の中から選ばれた新人七瀬なつみが体当たりで演じ、相手役の遊佐に中年男の色気としたたかさを演じれば天下一品といわれる津川雅彦が扮して絶品の芝居を見せ、その他に二谷英明、久保菜穂子、野坂昭如、十朱幸代らが友情出演して華を添えている。母と娘、男と女の“愛の葛藤”を魅力のキャストで赤裸裸に抉り出した鷹森立一感得の名篇。
影视行业信息《免责声明》I 违法和不良信息举报电话:4006018900