「負けていい」「逃げていい」 負けて、逃げて、傷ついて、空っぽになっていく。 発展しない恋愛関係、拗れた友人関係、伸びない成績、難関の大学入試試験、父からの期待、そして出来の良すぎる弟である準と比較され続けることの葛藤が、卒業を迎える祐樹を焦らせる。 そうして迎えた大学入 学共通テストでカンニングがバレた祐樹は、一切合切を捨て、深い森へと逃げ込む。 誰もいないはずの森。そこで祐樹は、自給自足のシンプルライフを送る独立コミュニティ「ピダハン」の民と出会う。 「つ」。は佐賀弁でいう「かさぶた」だ。かさぶたが新しい細胞を育むように、祐樹もまた生まれ変わっていく。
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