必殺剣の円月殺法で知られる眠狂四郎(田村正和)は、浮世絵師の玄斎(本田博太郎)から、自分の女房・おりん(黒木瞳)を斬って円月殺法を見せてくれと頼まれた。おりんも昔から恋い焦がれている狂四郎に斬られて死にたいと願っていたのだが、狂四郎はそんな心情を理解できずにその場を去る。「ぼくはテレビドラマを観ないが、田村正和は例外だ。知り合いの中年女性がマサカズサマと呼んでいるせいもあって、昨年末の『眠狂四郎』は録画して観た。相手役の黒木瞳がなぜかいまいち色っぽくないのだが、田村正和には満足した。なんというか、狂四郎のフェロモンが噴き出て、鶴田浩二、市川雷蔵よりも、気障であり、恰好いい。こういうスターを生かせない日本映画界は莫迦である。
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