1995年、神戸。伊智子と太助は、阪神淡路大震災により一人娘のれいこを亡くす。その後二人は離婚し、それぞれの生活を始める。淡々とした日常の中、伊智子と太助は、徐々にれいこの死を受け入れていく。2018年、久しぶりに再会した二人は、れいことの思い出の水族園へ行き、イルカショーを見るのだった。 「大切な人が死んで、残された人はその先をどうやって生きていくのか? 実人生の中で、映画を作ることの中で、ずっと考えている。死んだ人のことを忘れたくない。時間がたてば忘れるというなら、忘れない方法はないものかと思う。生きていた時に受け取った何かを何らかの方法で残したい。だから俺は映画を撮るのかも知れない。フィクションの中にその思いを無理やりねじ込んで死者とコンタクトする。本作を撮りながら幾人もの死者の顔が浮かんだ。彼らが俺の後ろにいる。不思議と背筋が伸びるのだ。この映画は死んでいったたくさんの知人に捧げたい。神代辰巳、川島伸夫、林由美香、向井寛、馬場当、しまだゆきやす、上野俊哉、鴨田好史、今岡隆則、伊藤猛、堀禎一、江利川深夜、櫻井拓也に捧ぐ」
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